マウスATDC5細胞にインシュリンを添加して軟骨細胞へと分化誘導したのちにmRNAを抽出し、RT-PCRクローニング法によりコンドロトランスフェリン(CTF)cDNAをクローニングし、全塩基配列を決定した。そして次に、CTFのゲノム遺伝子のクローニング、および構造決定を試みた。まず、マウスゲノムライブラリーを作製して、CTFcDNAをプローブとしてスクリーニングを行い、約100万個のクローンから10個の陽性クローンを得た。得られたゲノムクローンを制限酵素で消化して、サザンブロットを行ったところ、これらのゲノムクローンで遺伝子の全長をカバーしており、CTF遺伝子の制限酵素地図を作製することができた。さらに、トータルサザンブロットを行い、CTF遺伝子が1つであるかどうかを検討したところ、各バンドは、制限酵素地図と一致しており、この遺伝子はゲノム当たり1つであることがわかった。また、CTF遺伝子の全エキソンの塩基配列および全エキソンミイントロン境界部位の塩基配列を決定した。以上より、この遺伝子は16個のエキソンからなり、約26kbの長さを持っていることが判明した。 現在、CTF遺伝子の転写開始点の決定、および軟骨に誘導可能なマウスATDC5細胞などを用いたCATアッセイによる、CTF遺伝子のプロモーター活性の検討に着手しているところである。今後、この軟骨組織で特に大量に発現しているCTF遺伝子の上流解析を通して、軟骨特異的な転写調節を探究してゆく。
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