HSY cellにおける細胞内カルシウム・ストアの分布と多様性 オルガネラ内にmag-fura-2を取り込ませた細胞を穿孔し、顕微画像解析システム(ARGUS 50)を用いてCa^<2+>ストア内のCa^<2+>濃度([Ca^<2+>]_L)の変化を解析した.HSY cellの細胞辺縁部に無刺激時の[Ca^<2+>]_Lが1mMで、IP_3刺激により[Ca^<2+>]_Lが50μM程度まで低下するCa^<2+>ストアが多く認められた. 共焦点レーザー顕微鏡および電子顕微鏡による観察で、核膜間隙と細胞辺縁部の小包体からCa^<2+>が放出される事が明らかにされた.またミトコンドリアからはCa^<2+>が放出されないが、IP_3によって開口するイオン・チャンネルが存在する可能性が示唆された. ラット耳下腺腺房細胞におけるカルシウム・ストアの分布と多様性 Mag-fura-redを取り込ませた耳下腺細胞を穿孔し、共焦点レーザー顕微鏡を用いてCa^<2+>ストアの分布を解析した.耳下腺腺房細胞のCa^<2+>ストアは細胞基底部の小包体の多い部分に多く認められた.また、腺腔側の細胞膜直下や分泌顆粒の間にもCa^<2+>ストアが認められた.一方、分泌顆粒にはCa^<2+>ストアとしての機能は認められなかった. リアノジン受容体を開口させるサイクリックADPリボースやリアノジンは、耳下腺細胞からのCa^<2+>放出を起こさない事から、耳下腺細胞からのCa^<2+>放出はほとんどがIP_3感受性Ca^<2+>チャンネルによって調節されている事が示唆された.
|