Joint effusionを伴った顎関節より得られた顎関節雑音の定量分析をおこなうにあたり、重篤な顎関節病態に認められるとされるcrepitusの音響特性とcrepitusを伴った顎関節のMR画像所見について検討した。crepitusの音響特性については、定量分析のひとつである1オクターブバンド分析を適応し検討したところ、疼痛を伴う顎関節が伴わない顎関節と比べ特徴的な音響特性を有することが確認された。この結果より、1オクターブバンド分析がJoint effusionを伴った顎関節より得られた顎関節雑音の定量分析に応用可能であることが示唆された。また、crepitusを伴った顎関節のMR画像所見は、ダブルエコー法により得られたプロトン強調像およびT2強調像により検討した。その結果、crepitusを伴った顎関節では、Joint effusionを伴った関節、円板転位を伴った関節および伴わない関節が認められたことから、crepitusが多様な顎関節病態と関連していることが判明した。この検討では、ダブルエコー法が、Joint effusionを含めた顎関節病態の検出に有用であることが再認識された。現在、Joint effusionを伴った顎関節より得られた顎関節雑音の定量分析には1オクターブバンド分析を応用し、さらにそれらの顎関節のMR画像所見については、ダブルエコー法を応用し、音響特性と画像所見との関連について検討をおこなっている。
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