われわれが、これまでに行ってきた研究すなわち、物理的刺激である圧力を微妙にコントロールする事により、骨の石灰化を促進するのではないかという仮説を明らかにするため、1つには、視覚的に認識可能な画像抽出、2つ目は、この画像を基本に数値化し定量的に解析することである。 第1に画像抽出であるが、マイクロフォーカス管とイメージングプレートを組み合わせComputed Radiographyを介す事により、視覚的に認識可能なvisualな画像画像として抽出することを可能とした。第2に定量解析であるが、抽出された画像を基にBio-imaging analyzerにより、X線吸収率の変動として、高精度での定量解析を行う事ができた。さらに今年度は、これらの事をより明確にするため、n数を増やし、関心領域である骨を荷重骨・非荷重骨とに分類し、同様な手法で解析した。その結果、非荷重骨よりも荷重骨において、X線吸収率の変動の差は大きく、圧力によるメカニカルストレスの影響が大きく反映されることが確認できた。次に、暴露形態での最適圧力下による研究では、圧力形態を何段階かに分類し暴露させた結果、高圧な急激暴露よりも比較的ゆるやかな圧力(2.5ATA)で緩除な暴露の方が影響を受けやすく、コントロールに比べその差が明らかに認められた。 これらの事から推測すると、2.5ATA下での暴露において、画像及び定量的な解析から、骨の石灰化は促進されることが推測され、また荷重骨においては非荷重骨に比べ顕著であった。さらに現在、最適圧力下での器官培養を行い、in-vitroにおいてどの様な影響を及ぼすのかを調べ、in-viboとの相関性の研究を行っている。
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