研究概要 |
本研究はの目的は,髄床低の穿孔などにより生じた骨欠損部位に,TGF-βスーパーファミリーの中でも骨誘導能に優れているBMPおよび骨形成に関与すると言われているTGF-β1を投与することで,骨を効率良く形成することである. 実験方法 生後8周齢のラット第一臼歯にラバーダム防湿を施し,歯冠部より無菌的に骨欠損を作製した.実験群にはBMPおよびTGF-β1を投与し,対照群にはキャリアーのみを投与した後,厳密に仮封を行った.一定器官飼育後屠殺し,取り出した顎骨を通法に従い固定脱灰後,パラフィン切片を作製し,組織学的に検討した. 結果および考察 キャリアーにコラーゲンを使用し,1ヵ月間飼育した実験群では,根分岐部骨欠損に骨の再生が認められた.しかし,対照群でも同様な骨の再生が認められ,組織学的に有意な差を認めなかった.現段階では,飼育期間を短くすることにより,BMPなどの骨誘導能が有意に発現している期間を検討中である.また,BMPの局所濃度を有効に維持することができるようなコラーゲン以外のキャリアーを実験に用いることも検討中である.
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