研究概要 |
我々がクローニングしたA.actinomycetemcomitans(A.a.)(Y4株)のIS200様配列をもちいて、A.a.の菌株7種においてサザンハイブリダイゼーションを行った。これにより各菌株のIS200様配列のコピー数及び、そのパターンを決定した。 A.a.の菌株7種(sero type a:3株、sero type b:2株、sero type c:2株)の染色体DNAを用いたところ、IS200様配列をプローブとしとサザンハイブリダイゼーションのパターンが血清型により異なることが示された。sero type aでは同じサイズのバンドが1本のみ検出された。sero type b,cでは複数のバンドが検出された。うち、sero type bでは今回用いた株では4本のバンドが見られ、さらにそれらのパターンは完全に一致していた。一方、sero type cではパターンは一部のみ一致していた。 今研究の結果から、IS200様配列によるサザンハイブリダイゼーションのパターンはA.a.の血清型と相関することが明らかになった。これは分子生物学的に菌株を分類するのに役立つと考えられる。近年、血清型と病原性の相関が指摘されている。IS200様配列の挿入により菌の病原性が異なったとも考えられることから、今後、IS配列周辺の遺伝子の解析も病原因子の解明の為に行っていく。
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