本研究の目的は、各種薬物に対する唾液腺および口腔内に対する影響を明らかにし、口腔乾燥症の予防と治療成績の向上をはかる事である。今回の研究では、循環器疾患治療薬(利尿剤、ACE阻害剤、β遮断薬)の中、長期投与による唾液腺および口腔内に対する影響を明らかにするため以下の研究を計画した。研究項目ごとに実施状況を以下に報告する。 1.単離したラット唾液腺細胞に対する各種薬物の影響に関する検討。 電気生理学的手法(patch clmp法)、細胞内Ca^<2+>測定法(Fura-2)により循環器疾患治療薬(利尿剤、ACE阻害剤β遮断薬)の唾液腺に対する直接作用の検討。 (実施結果) 細胞レベルでの唾液腺の老化モデルとして培養唾液腺細胞を作成し、培養による唾液腺機能の検討を行い、ムスカリン受容体を介した反応性に関しては維持されているとの結果を得た。また、この培養細胞を使い、β受容体刺激薬であるIsoprorterenolに関して検討したところ、細胞増殖能の増加がみられβ受容体刺激が細胞の増殖、維持に関係していると考えられた。 2.循環器疾患治療薬(利尿剤、ACE阻害剤、β遮断薬)の中、長期投与による唾液腺および口腔内に対する影響の検討。 (実施結果) ウィスター系ラットと高血圧自然発症ラットを現在飼育中である。
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