日本家兎を対象とし、高濃度イソフルレン(2MACまで)による低血圧麻酔群(I群)、プロスタグランジンによる低血圧麻酔群(P群)。トリメタファンによる低血圧麻酔群(T群)に分け、平均動脈圧50mmHgの低血圧麻酔を120分間行い、実験終了後、左腎を灌流固定し、顕微鏡にて観察した。なお、血圧を低下させずに、GOI・PBで3時間麻酔を維持したものを対照群(Control)とした。 その結果、 1)I群、P群、T群とも、近位尿細管直部後半部の細胞障害が顕著であった。 2)T群ではP群に比べ、細胞変性、細胞障害が顕著であった。 3)I群およびP群では、近位および遠位尿細管の細胞変性を認めたが、その程度は軽度であった。 以上の結果より、2MACを上限とした場合、高濃度イソフルレンによる低血圧麻酔法は、腎障害の程度は軽度であり、臨床面への応用が期待できるものと思われた。
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