本研究では既に確立されている改良型伸展力反復負荷装置を用いた実験系を応用した。 1.細胞はラット頭蓋冠由来骨系細胞より採取、継代培養を行い、骨系細胞の単層培養中にハイドロキシアパタイト顆粒を添加し細胞の基本的な細胞活性を調べた。顆粒の大きさは鐘ヶ江らの報告に準じ500μの大きさを使用した。単層培養ではその細胞増殖に有意な差を認められなかった。 2.細胞を含まないコラーゲンゲルへのハイドロキシアパタイト顆粒の添加を行った。コラーゲンゾルのゲル化までの時間において顆粒の層(重力によると考えられる)が形成され、細胞と顆粒の濃度が今後の問題となった。 3.細胞培養系への機械的外力の負荷(外力負荷の周期の検討) 機械的外力の条件としては、既に細胞の増殖性、アルカリフォスファターゼ活性に影響を与えた1Hz、ストリップの変形量10%とし、外力負荷の周期について生化学的指標としてDNA合成能(DIPI法による)アルカリフォスファターゼ活性(Bessy-Lowry法による)で検討をおこなった。15分及び30分間の機械的刺激を1日3回行った時細胞増殖が促進され、分化の指標であるALPase活性の上昇の割合は低かった。この条件を実験に適用したが、ゲル化時点に作られた顆粒の層により細胞及び顆粒濃度を現在検討中である。 4.機械的外力負荷を行ったコラーゲンストリップ上に見られた細胞は伸展方向対して直角に配列している様相が観察された。顆粒添加後の様相は検討中である。
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