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1996 年度 実績報告書

新規なインスリン受容体関連受容体の腎臓における生理的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08772089
研究機関京都大学

研究代表者

尾崎 惠一  京都大学, 薬学部, 助手 (50252466)

キーワードインスリン / インスリン受容体 / インスリン受容体関連受容体 / 腎臓 / 免疫染色
研究概要

インスリン受容体ファミリーに属する新現受容体、インスリン受容体関連受容体(insulin receptor-related receptor,IRR)には、現在知られているインスリンファミリー(インスリン、インスリン様増殖因子など)はいずれも結合しないことが示されており、IRRはオルファンレセプターの一つである。従って、その媒介する生理作用は明らかではないが、IRRは腎臓・胃などに局在し、局所作用を媒介している可能性がある。今回、私はIRR mRNAの高発現臓器である腎臓をターゲットにIRRの生理的役割を検討した。
ラットIRRに対する特異的抗体を作製し、Western blot法により腎臓では皮質部において特異的にIRRタンパク質が同定された。また、正常ラット腎臓に対するin situ hybridizationおよび免疫組織化学的アプローチによって、IRRが皮質部集合管上皮細胞全体の20-30%を占める介在細胞(B型)に特異的に発現していることを見出した。さらに、その分布の局性を検討したところ、主として上皮細胞のbasolateral側に局在していた。介在細胞(B型)の機能としては、管腔へのHCO_3。分泌による体内の酸・塩基平衡の調節が考えられている。従って、腎臓においてIRRが媒介する生理作用も、介在細胞特異的な体液バランスの調節に関与していることが示唆される。以上の研究により、今後さらに尿細管細胞の機能を制御する新しいシグナル伝達経路が発見される可能性もあり、血圧をコントロールする上で新たな医薬品開発への応用が期待される。また、これらの検討は、インスリンファミリーに属する新規生理活性物質と考えられるIRRのリガンド探索への手がかりになると考えられる。そのリガンド探索のための研究は現在進行中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] N.Tsuji et al.: "Expression of insulin receptor-related receptor in the rat brain examined by in situ hybridization and immunohistochemistry." Mol.Brain Res.41. 250-258 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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