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1996 年度 実績報告書

ダルタチオントランスフェラーゼP遺伝子の発現を負に制御する因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08772093
研究機関大阪大学

研究代表者

長田 茂宏  大阪大学, 薬学部, 助手 (40263305)

キーワード遺伝子発現調節 / 転写調節因子 / 転写不活性化因子 / シスエレメント / サイレンサー / GST-P / C / EBP / NF1
研究概要

正常肝においては胎盤型グルタチオントランスフェラーゼ(GST-P)は全く発現していない。GST-P遺伝子において、発現を負に制御するサイレンサーが存在すること、この領域には複数のシスエレメントが存在し、3種類の転写因子(Silencer Factor-A,-B,-C : SF-A,-B,-C)が結合すること、また、SF-Bの塩基配列は転写因子C/EBPβと一致することをこれまでに明らかにしている。
転写不活性化因子としてC/EBPファミリーのひとつC/EBPβを単離したにもかかわらず、C/EBPβは活性化因子としての報告が多い。そこで、C/EBPファミリーの機能の違いを認識配列から検討した。ランダムサイトセレクション法により、C/EBPファミリーの認識配列を同定した結果、C/EBPファミリーの結合コンセンサス配列および結合性の傾向も類似していた。そして、C/EBP結合配列の機能にかかわらず、コンセンサス配列に近いほど高い結合性を示すことが明らかとなった。
サイレンサーに結合する因子の中で最も重要であるSF-Aを精製した結果、SF-AはNF1ファミリーに属するNFI-A、NFI-Bであることが明らかとなった。サイレンサー中のSF-A結合配列は完全には一致していないので、SF-Aの結合コンセンサス配列を決定したところ、中央に任意の3塩基を含む5′-TTGGCA-3′をハーフサイトとするパリンドローム様の配列であった。さらに、単離した4種類のNFI-Aスプライシングアイソフォームを用いたトランスフェクション実験により、すべてのNFI-AのC末端領域は転写不活性化領域として機能することが示された。今後は、NFI-Aの抑制領域の限定およびそこに作用する因子の解析、また、SF-Cを単離することにより、GST-P遺伝子の転写抑制機構を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Osada,S.: "DNA binding specificity of the CCAAT/enhancer-binding protein transcription factor family" J.Biol.Chem.271. 3891-3896 (1996)

  • [文献書誌] Osada,S.: "Identification of DNA binding site preferences for nuclear factor I-A" FEBS.Lett.390. 44-46 (1996)

  • [文献書誌] Osada,S.: "Nuclear factor 1 family proteins bind to the silencer element in the glutathione transferase P gene" J.Biochem.121. 355-363 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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