本年度の研究は主に力協調を要する異なる機能の複数ロボットシステムの設計理論について検討し、ロボットシステムの中での協調作業に適しているホストエージェントのタスク構成と各ロボットの役割分担、操り作業の協調戦略、および各ロボットビヘ-ビアの設計手法を提案し、基本協調作業に関する検証実験を行った。さらに、対象物の持ち上がりなどの3次元作業に関しても基本協調戦略を検討し、シミュレーションなどにより検証を行った。 ホストエージェントのタスク構成 共同で対象物の運搬・組立てなどの操り作業を行う際の動的協調戦略を実現するため、有限的な作業機能のみもつ個々のロボットの組織化とロボットシステムに対して作業目標の指示との二つの共通的且つ静的なタスクのみ基本的にホストエージェントにより実行している。作業中の各ロボット間の協調のための動的計画、制御などはホストに関与せず、各ロボット自身により行っている。さなり、作業監視タスクにも含む全タスクが遂行できるビジョン搭載型移動ホストロボットの設計および製作を完了し、基礎実験を行っている。 各ロボットの役割分担 協調作業中ホストにより組織化されている各ロボットは自身のビヘ-ビアコントローラにより能力方向にいつも能動的に出力する特性を持たせることと、非能力方向にいつも受動する特性を持たせることを実現している。また、有限状態オートマトンの考えに基づいているロボットの動的協調ビヘ-ビアを解析し、増加型ビヘ-ビアコントローラの設計手法を提案した。シミュレーションによりビヘ-ビアの増加で障害物がある環境での協調作業について検証を行った。その上、ロボットの作業機構により異なる能力方向を持つことはついて検討し、Form Closureに基づく異なる組織化の仕方およびロボットのビヘ-ビアの設計により作業が同様な協調戦略で遂行できるという結論が得られた。 持ち上げ作業への拡張 システムBeRoSHを基本とし、対象物の持ち上げ作業および固定姿勢での運搬への拡張の基本思想(ロボットグループ中の数台のロボットにより能動的な拘束を実現することでシステム作業の安定性を保証する思想)とそれに関する作業ロボットの組織化戦略を考案し、シミュレーションによる検証を行った。その検討結果に基づくロボットの作業アームの設計も完了し、基本検証実験を行っている。
|