本研究ではディジタル図書館に蓄積されたフルテキスト検索を対象にした連想型シソ-ラスを構築した。ディジタル図書館に格納されるフルテキストの量は膨大であり、従来の個々のキーワードを基本とした検索では求める文献を得ることは困難である。本研究では学術情報センターの学会データベースの抄録から複数ハッシュふるい分けによって多数の用語を切り出し、多数の用語の集合によって検索実験を行った。その結果、多数の用語による検索は分野を特定するような検索に有効であることがわかった。次に、抽出した用語を利用してシソ-ラスを構築するために、用語間の造語規則を利用して階層関係を抽出し、概念間の意味関係の基本構造を構築した。次に、抄録文の構文パターンによって同値関係、階層関係、因果関係など様々な種類の意味関係を抽出し、先ほどの基本構造に埋め込み、概念構造をより現実の情報に近い形にした。最後に、構築した概念構造を利用して意味関係をたどれるナビゲーションツールを作成した。本研究によって、ディジタル図書館に格納されたフルテキストに対して連想的にアクセスすることが可能になった。
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