平成8年度の結果を以下にまとめる。 (1)高熱流ダイバータ・プラズマ模擬試験装置NAGDIS-IIにおいて、ヘリウムプラズマにヘリウムガスをパフすることによりDetached Plasmaを発生させた。可視分光計測により、プラズマの体積再結合過程に伴う連続発光スペクトルを観測し、プラズマが体積再結合により消失していることを明らかにした。また、連続スペクトルのエネルギー分布から電子温度を求め、Detached Plasma中の電子温度が0.5eV以下であることを明らかにした。さらに、排気用複合ターボ分子ポンプの回転数を変化させることでプラズマのリサイクリングを制御し、同じガス圧力でもリサイクリング中性粒子が主な場合と外部から導入した中性粒子が主な場合では、Detached Plasmaの発生の閾値ガス圧が変化することを明らかにした。 (2)ヘリウムプラズマに水素ガスをパフすることによりMolecular Activated Recombinationに関する予備実験を行い、少量の水素ガスパフにより急激に磁力線方向のプラズマ圧力が減少することが観測し、MARの存在を実験的に明らかにした。
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