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1996 年度 実績報告書

海洋生物化学大循環モデルによる人為起源物質の海洋による吸収機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08780499
研究機関東京大学

研究代表者

山中 康裕  東京大学, 気候システム研究センター, 助手 (40242177)

キーワード炭素循環 / 海洋大循環 / 地球温暖化 / 二酸化炭素 / 地球環境
研究概要

GAIM/IGBPのもとで行なわれているOCMIP(Ocean Carbon-Cycle Model Intercomparison Project)で定めた実験を行なう準備として本年度は、観測された二酸化炭素・フロン・放射性炭素の大気中濃度の時系列データを境界条件として与え、海洋生物化学大循環モデルを走らせ、人為起源物質の海洋による吸収を評価を行なった。
行なった研究の成果は、以下の通りである。
・1980年代の人為起源二酸化炭素の海洋による吸収量は、2.0Gt/yrで、IPCCレポートで報告されたものと同じになった。しかしながら、本研究では、IPCCレポートで南半球海洋の過大評価とされていた領域では吸収量が減少し、北半球海洋の過小評価されていた領域では、IPCCレポートのものに比べると増加し、全体として、北半球の海洋の役割の重要性を示唆した。
・フロンの濃度分布は、溶解の温度依存性によって大まかに決まり、人為起源のΔ^<14>Cと人為起源の二酸化炭素濃度とは、かなり似た分布をとる。但し、比較的似ている人為起源のΔ^<14>Cからさえも、観測で直接求まらない人為起源の二酸化炭素濃度の分布を推定することは、過去の大気中濃度の履歴の相違より、難しいことが分かった。
・北太平洋では、人為起源の二酸化炭素はおおよそ1000m以浅にのみ貯蓄されるが、北太平洋の面積が広いために、北太平洋の吸収量は、北大西洋のものと同程度となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 山中康裕: "海洋物質循環と古海洋" 天気. 43. 476-482 (1996)

  • [文献書誌] 山中康裕、阿部彩子: "海洋における人為起源物質の濃度分布のモデルによる再現" 月刊海洋. 28. 510-515 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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