ウシ胎児血清を酵素源として本酵素の簡便なアッセイ法を開発し、このアッセイ法を用いてウシ胎児血清中の本酵素の性質を調べた。また、このアッセイ法を用いて、ウシ胎児血清より比活性の高い酵素源(培養細胞の無血清培養培地など)を探し、それより本酵素の精製を試みた。 (1)α-GalNAc転移酵素の簡易アッセイ法の開発とそれを用いた反応条件の検討 酵素源としてウシ胎児血清、ドナーとしてトリチウムラベルされたUDP-GalNAc、アクセプターにはN-アセチルコンドロシンを用いてMnイオンとMgイオンの存在下、37°C、4時間酵素反応を行った。反応後、その反応液をDOWEX1-X8(phosphate form)にかけ、反応生成物と未反応のUDP-GalNAcとを分離し、カラムに結合しない反応生成物を分取し、その放射活性を測定する簡易アッセイ方法を開発した。また、このアッセイ法を用い、本酵素の至適pH、バッファー、金属要求性を調べ、さらに本酵素のUDP-GalNAcやコンドロシンに対するKm値を調べ、アッセイ系の確立を行った。 (2)α-GalNAc転移酵素の精製のための最適な酵素源の検索 十数種類の培養細胞の無血清培養培地中の本酵素の活性を上記で開発されたアッセイ法を用いて調べたところ、ヒト軟部組織由来MF7の無血清培養培地中に本酵素が活発に分泌されていることを見出した。そこで、この細胞の大量培養を行い、10L程度の無血清培養培地を調製した。現在、本酵素の精製を行っている。
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