我々は、プロテインカイネースC(PKC)系を介した調節の検討を行うため、セトロニントランスポーターを異所性に常に発現している細胞を作製した。この細胞は、controlに比べて数十倍高いセロトニン取り込みを示した。PKCのactivatorである、phorbol esterによってセロトニンの細胞内への取り込みは、阻害されること、更にこの阻害は、主に、Vmaxの減少によることが明らかとなった。しかし、この阻害は、PKCによるリン酸化予想部位をミューテイションすることでは、回復されなかったため、間接的な調節機構が示唆された。今後このメカニズムについて更に検討を加えていく。 また、セロトニントランスポーター結合蛋白の単離、同定を行うため、グルタチオンSトランスフェラーゼ配列をふくむ発現ベクターにセロトニントランスポーター蛋白のアミノ末端配列をサブクローニングし、このコンストラクトを用いて大腸菌(JM109)を形質転換し、IPTGにて導入することにより、多量のfusion proteinを得た。しかし、全配列をサブクローニングしてたコンストラクトは、可溶性に問題があり使用できなかった。グルタチオンセファロースを用いて、columnを作製し、そこにアミノ末端配列のfusion proteinを含む大腸菌可溶性分画を注入し、洗浄すると、fusion proteinはcolumn内に留まる。そこに、可溶化したラット脳の膜分画を投与し洗浄後、塩濃度勾配により結合蛋白を溶出した。その結果いくつかの結合蛋白を同定できた、今後、ペプチド分析を行い部分シイクエンスを決定する予定である。
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