研究概要 |
地下空間の汚染に対する効果的な浄化法である「ガス抜き浄化法」を実施する際に問題となる,土壌中でのガス挙動を明らかにするためには「土壌間隙水」,「有機炭素量」,「土壌成分」などの要因を除外して考えることはできない.このうちガス挙動に最も影響を与える要素は「土壌成分」への吸着である.その土壌への影響を評価するために次のような測定を行った. (1)ガラスビーズ,硅砂,赤玉土,鹿沼土,黒ボク土,グランドの土、畑土等を採取しそれぞれの成分ごとに,トリクロロエチレンガスの土壌への吸着係数を測定し,比較検討した. (2)一部の土壌については,粒径別に吸着係数を測定し,粒径による吸着の度合いについて検討を行った. (3)更に.ガラスビーズと赤玉土,赤玉土と鹿沼土等の異なる土壌を混合した場合の吸着係数についても測定を行った. 得られた知見としては,土壌成分により5〜6桁程度の吸着係数の違いが見られた.これは,土壌の比表面積に関係していると考えられる.また,粒径が小さくなるほど吸着係数が大きくなる傾向が明らかになった.混合土壌の場合の吸着係数については今後研究が必要である.
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