研究課題
1.Amenophia orientalis生活環のミッシングリンクの研究岩手県大船渡市門の浜でワカメ葉上部に寄生するかいあし類 A.orientalis の生活史を研究した結果、54〜70日で幼生から成体になること、1日あたりの成長率は0.014〜0.017mmであること、成長率は水温に依存すると考えられることが明らかになった。ワカメ葉上部がなくなる時期のA.orientalisの生息場所については、ワカメ以外の海藻・底泥・プランクトン・養殖桁のロープから本種は出現せず、ワカメ葉上部という生活場所を失った時期の生存方法は明らかにすることはできなかった。しかし、ワカメが再び成長しはじめる初期には、ノ-プリウス幼生から成体までの各ステージが寄生していたことから、本種の個体群がワカメ葉上部消失時にも保たれていると考えることができる。2.葉上性かいあし類の生息場所選択の研究海藻・海草類16種から、葉上性かいあし類を採集した。かいあし類の内Porcellidiidaeについて分類学的研究を行い、2新属7新種を記載した。Porcellidiidaeの3種で、特定の海藻にしか生息しない傾向が見られた。その要因や、Porcellidiidae以外の種については、現在解析中である。
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