本研究目的は我々が提出した「Pseudo Moleculesの化学」と言う新しい概念に従って化学反応を用いて表面にナノサイズの構成或いは物質制御を行うことである。機能性物質を表面にアトムスケールで合成配列させ、物質として全く新規な表面を合成する新しい試みの一つは吸着表面でのヘテロエピタクシャル成長である。先ず、35年間解けなかったCu(100)表面の吸着酸素の構造を解くことに成功した。次にこの表面でのヘトエオエピタクシャル成長の構造制御機構を明かにした。Cu(100)表面に吸着したO原子は基本的にc(2x2)-O配列で吸着するが歪みを表面に分散させるために小さなドメインを作ってランダムに配列するのでその境界線が清浄なジグザグ線を作る。一方、N原子も小さな(2x2)-Nドメインを作って配列するが、規則的に並ぶため境界線はスーパーグリッド状の格子を形成する。このような表面に金属を蒸着すると、動くことの可能なO原子はサーファクタントとして機能しlayer-by-layer成長を促進するが、動くことの出来ないN原子にはそのような機能はない。即ち、c(2x2)-O Cu(100)表面にNiを蒸着するとNiは単原子層でc(2x2)-Oの表面構造を持つ島として無定形な形で成長する。一方、c(2x2)-NCu(100)表面にNiを蒸着させるとスパーグリッドを形成する線の交点に一定のサイズのNiのドットが形成する。またCu(100)表面に0.3ML以上の酸素を吸着させると歪みにより表面Cu原子が規則的に抜ける。この表面にNiを蒸着するとNiの原子細線が成長する。
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