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1996 年度 実績報告書

クロロフィル合成からみた光化学系構築機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08836006
研究種目

基盤研究(C)

応募区分時限
研究機関大阪大学

研究代表者

藤田 祐一  大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (80222264)

キーワード黄化 / クロロフィル合成 / 光化学系 / 33-kD蛋白質 / PsaC蛋白質 / プロトクロロフィリド還元 / ラン藻 / 緑化
研究概要

ラン藻は、クロロフィル(Chl)合成の一過程であるプロトクロロフィリド(Pchlide)の還元に、光に依存する経路と光に依存しない二つの経路を有する。この内、光に依存しない系に関与する遺伝子を欠失した変異株は、被子植物と同様、Chlの合成が光に依存するようになる。すなわち、暗所で生育させると、Chlの合成がPchideの段階で停止し、あたかも被子植物での黄化葉と類似した“黄化した"ラン藻細胞となる。このように“黄化"ラン藻を明所に移すと、Chlの合成が始まり“緑化"が開始されることが期待される。
そこで、私はラン藻Plectonema boryanumの光非依存性Pchide還元系の遺伝子の一つchlL遺伝子が欠失させた変異株YEC2を用いて、一旦暗所で黄化させ、これを明所に移し、緑化過程におけるChlと光化学系タンパク質の挙動を解析した。暗所で2週間生育させた“黄化"YEC2を、明所(約500lx)に移し、緑化を開始させた。24時間後にはChl量は、野生株の約80%まで回復した。この緑化過程におけるPchlide還元酵素POR及び、光化学系タンパク質の動態を33-kDとPsaCについてウェスタン解析により検討した。その結果、POR蛋白質は、暗所と明所においてその存在量はほぼ一定であり、被子植物で観察されるような暗所での著しい蓄積は認められなかった。また、33-kDは“黄化"細胞でも検出され、その存在量は緑化過程を通してほぼ一定であったが、PsaCは“黄化"細胞では検出されず、Chl量の増加に伴って急速に増加した。これらの結果は、Chl供給が光化学系Iを構築する上で重要な役割を果たしていることを示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Fujita: "Identification of the chlB gene and the gene product essential for the light-independent chlorophyll biosynthesis in the cyanobacterium Plectonema boryanum." Plant and Cell Physiology. 37巻3号. 313-323 (1996)

  • [文献書誌] Y.Fujita: "Protochlorophyllide reduction : a key step in the greening of plants" Plant and Cell Physiology. 37巻4号. 411-421 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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