研究概要 |
課題志向対話の収録に際して、その目的を明確にすることによって重複した収録を避けるためには、対話のおける「課題」の役割を明らかにすることが重要であるので、「課題」の特長をコミュニケーションにおける情報の流れに注目して分類することができた。情報の流れはたんに言語的なものだけでなく、対話参加者の認知的な状態も含めて考えることにすると、現在までに試みられた対話収録の試み(たとえば、Map Task,TRAINSなど)を分類することができる。また、この分類は、課題解決の構造と対話の構造との関係を解明する前提となる分類である。 課題志向対話は、課題の解決の成功の程度の評価することができる。その評価方法について、とくに地図課題対話の場合を検討した。従来の方法は、GiverのルートとFollowerが描いたルートとの対応のみを評価するものであった。この限りでも、効率的な対話(所要時間、発話数、発話量などが少ないもの)における成績との関係を評価できたが、さらにバックチャネルなどを考慮するとより適切な評価ができることがわかった。 留学生が酸化する地図課題対話についての特徴を明らかにした。そのなかで、留学生の来日直後とその6ヶ月後とのコミュニケーション能力の比較を行なうと、聞き返しの性質が変化して、自然な対話が実現するようになっていることが明らかになった。
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