会話にことばで参加することに、母親からの援助が大きいと想定される時期として、20ヶ月児を対象とし、その母親との25組に対して、大学のプレイスペースへの来室を依頼した。母子会話の場面として、養育場面(人形、着替え、布団、歯磨き、風呂の道具を提示し、母子に自由に遊んでもらう。7分間。)、絵本場面(動物が動作を行っている絵24枚からなるファイルを提示し、母子に自由に遊んでもらう。5分間以上読み終わるまで。)、食事遊び場面(食器や食べ物のミニチュアを提示し、母子に自由に遊んでもらう。7分間。)を設定した。また、子どもの認知能力を測定するため、カテゴリー化課題、N3C課題を実施した。また、家庭での子どもの言語レベルを測定するため、動作や状態(61場面)に関することばの家庭での使用について、物(81項目)の名前に関することばの家庭での使用について母親より聴取した。 22組が分析対象となった。母子の会話構造については、現在トランスクリプションを作成中であり、ここでの報告はできない。カテゴリー化課題については、Gopnik & Meltzoff(1987)の第一段階13名、第二段階(継続的操作)7名、第三段階(2カテゴリーにグル-ピング)2名であった。第二段階と第三段階の被験児を込みにして、動作や状態に関することばの使用、物の名前に関することばの使用について、第一段階の被験児と比較したところ、いずれにおいても、第二段階と第三段階の被験児の方が、第一段階の被験児よりも、異なる種類のことばの使用が多かった。したがって、カテゴリー化能力と動作や状態に関することばの使用、物の名前に関することばの使用との間に関連性のあることが考えられる。 今後、27ヵ月時点と34ヵ月時点で再度来学を願い、縦断的に母子の会話を検討する。
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