昨年度、子どもが20ヵ月時点で観察を行った。本年度は、子どもが27ヵ月になった時点で、同一母子に再度大学のプレイスペースに来室を願い、観察を行った。20ヵ月時点と同一の、養育場面、絵本場面、食事遊び場面において、母子の会話を観察した。また、20ヵ月時点と同一のカテゴリー化課題、N3C課題も実施した。家庭での動作や状態に関することば、物の名前に関することばの使用について、20ヵ月時点の質問項目といくつかの追加質問項目を設定し、母親より聴取を行った。21組の母子が、20ヵ月、27ヵ月と継続して観察が可能であった。 両月齢の、絵本場面と食事場面での7分間の母子会話のトランスクリプションを作成した。トランスクリプションをもとにした会話構造の結果については現在分析中であり、ここでの報告はできない。母親からの聴取による物の名前に関することばの語彙数、動作や状態に関することばの語彙数に関して、20ヵ月時点の語彙数と27ヵ月時点の語彙数の関連性を調べた。その結果、27ヵ月時点の物の名前に関する語彙数は、20ヵ月時点での物の名前に関する語彙数によってよく予測されていた。また、27ヵ月時点での動作や状態に関することばの語彙数は、20ヵ月時点での動作や状態に関することばの語彙数によってよく予測されていた。 今後、36ヵ月時点で再度来学を願い、数種の場面での母子会話を観察し、縦断的に母子の会話の発達過程を検討する。
|