研究課題/領域番号 |
08838004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
老化(加齢)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
山口 晴保 群馬大学, 医学部, 教授 (00158114)
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研究分担者 |
杉原 志朗 群馬県立がんセンター, 病理部, 部長
佐藤 久美子 群馬大学, 医学部, 教授 (80008268)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | amyloid-β / Alzheimer's disease / brain bank / apolipoprotein E / brain bank / brain aging |
研究概要 |
脳の老化に伴うβアミロイド沈着を促進・抑制する因子を明らかにすることを目的に、以下の研究を行った。 βアミロイド沈着が開始する中年期(40代〜60代)の非痴呆老人脳を40例以上蒐集し、これをGunma Senile Brain Bankと命名してブレインバンクとしての機能を開始した。この試料は、既に数カ所の研究施設で脳老化の研究に役立っている。また、東京大学脳研神経病理の協力を得て、これらの試料のβ蛋白含有量をELISA法で定量したデータやApoE遺伝子型のデータを揃えている。 これらの中年〜老年の剖検脳をβ蛋白抗体を用いて免疫組織学的に検討し、脳のβアミロイド沈着は40歳代から前頭葉で始まることを明らかにした。このβ蛋白の分子種をC末端特異抗体を用いて検討すると、β42が主体であった。また、β蛋白抗体で淡染する瀰漫性老人斑の中にβ蛋白強陽性の顆粒を伴うものがあることを見いだし、その本態を検討した。その結果、これは星形グリア内に取り込まれたβ蛋白が強陽性を示すものであり、この瀰漫性老人斑は老人斑の消退過程を示すことを明らかにした。 中年期のβアミロイド沈着の遺伝的背景を検討するため、ApoE遺伝子型とβアミロイド沈着の関係を調べた。その結果、40代でβアミロイド沈着を認めた症例でApoE4型が高頻度であり、ApoE4型が危険因子であることを確認した。 家族性アルツハイマー病遺伝子であるpresenilin-1のC末端やN末端に対する抗体を作製し免疫組織化学的に検討したが、βアミロイド沈着との明らかな関係は認められなかった。
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