早老症の代表であるCockayne syndrome (CS)由来線維芽細胞を用い、紫外線照射後のヒトインターフェロンβ(HulFN-β)によるプロテアーゼ誘発を検討した。CS細胞は紫外線照射後のプロテアーゼ誘発は低値であったが、HulFNβ前処理により誘発促進された。この誘発促進効果はCS細胞の継代中期まで認めたが、後期には消失していた。この誘発されてくるプロテアーゼの特徴を知るためプロテアーゼインヒビターを用い検討したところ、セリンプロテアーゼインヒビターであるアンチパインにより活性が抑制された。さらにCS細胞は紫外線高感受性であるが、HulFN-β処理により、紫外線照射後のコロニー形成能が上昇したが、この上昇効果もアンチパインで消失した。この結果紫外線照射後誘発促進されるアンチパイン感受性プロテアーゼがの紫外線抵抗化の一助であることが証明された。さらにHUIFN-βによる紫外線照射後のプロテアーゼ活性促進効果を分子生物学的に検討するため、Differential display法を用い同条件下でのmRNAの発現を検討している。現在検索中であるが、HulNFN-β処理のみに発現してくるmRNAを数種検出しており、現在塩基配列およびNother blottingにて確認作業中である。また種々の遺伝子発現が検出されており、それぞれの相互の関連を知ることにより、インターフェロンによるDNA修復促進効果の機序を分子生物学的に解明する予定である。
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