研究課題/領域番号 |
08838013
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福尾 惠介 大阪大学, 医学部, 助手 (40156758)
|
研究分担者 |
中橋 毅 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
廣谷 淳 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
森本 茂人 大阪大学, 医学部, 講師 (20150336)
|
キーワード | Nitric Oxide / Apoptosis / Fas / Plaque Rupture / Balloon Injury / Vascular Smooth Muscle |
研究概要 |
従来、動脈硬化の発症機序においては血管平滑筋細胞の細胞増殖が注目されていたが、最近、動脈硬化巣においては平滑筋細胞やマクロファージを中心に細胞死(アポトーシス)の亢進していることが数多く報告されている。しかし、この血管壁におけるアポトーシスのメカニズムは明らかではない。また、一方、動脈硬化巣におけるプラークの崩壊が急速な血栓症、すなわち、心筋梗塞などの発症機序に重要な役割を果たしている可能性が最近報告されている。そこで我々は、このプラークの崩壊の機序にアポトーシスの関与する可能性を検討する目的で、まず、in vitroの培養系を用いて血管平滑筋細胞におけるアポトーシスのメカニズムを検討した。本年度、我々はインターロイキン1(IL-1)や腫瘍壊死因子(TNF)などのサイトカインによって血管平滑筋細胞(VSMC)から産生される大量のNitric Oxide(NO)がVSMC自身に(アポトーシス)を誘導すること、また、NOはサイクリクGMPを介さない機構を通じて細胞死シグナルFasを誘導することをを明らかにした(文献1)。ところで、FasはFasリガンドと結合することによりアポトーシスを誘導するが、Fasリガンドは活性化されたTリンパ球に発現することが明らかにされている。動脈硬化巣においては、マクロファージと同時に数多くのTリンパ球の集簇していることが知られている。したがって、動脈硬化巣においてFas陽性の細胞はTリンパ球が発現したFasリガンドによってアポトーシスの誘導されることが予想される。さらに、我々は、in vivoのラットバルーン障害モデルにおいて、新生内膜内にアポトーシスが多数誘導されることを確認した(文献2)。現在、このモデルにおいてアポトーシスが誘導される機構を解析中である。
|