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1996 年度 実績報告書

培養細胞における老化と不死化の遺伝的制御

研究課題

研究課題/領域番号 08838023
研究種目

基盤研究(C)

応募区分時限
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

高野 利也  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60051364)

研究分担者 下田 耕治  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00129470)
キーワード細胞老化 / 不死化 / collagenase / 転写制御 / Oct-1 / nuclear lamina / lamin B / heterochromatin
研究概要

細胞老化に関わる転写抑制因子Orpheusについては、chemical footprint assayおよびsite-directed mutantによるgel shift assay,CAT assayにより、ISE2の中のAAATAATTという配列を認識しcollagenase遺伝子の転写抑制に寄与していることが明らかとなった。Orpheus結合部位について転写因子結合部位データベースと照合したところ、Oct-1の結合部位と高い類似性を示した。Orpheusの結合活性はOct-1に対するポリクロナール抗体およびモノクローナル抗体によって完全にsupershiftすること、また、in vitroで合成したレコンビナントOct-1蛋白の結合活性はOrpheusと完全に一致することから、OrpheusはOct-1であることが明らかとなった。Oct-1の結合活性と転写抑制能は細胞老化・不死化過程で変化し、核抽出液中のOct-1の蛋白量もそれに伴って変化するのに対し、全細胞抽出液中では細胞老化・不死化の過程を通じてほぼ同量のOct-1が存在していた。このことは、Oct-1の細胞内局在が変化している可能性を示唆している。Oct-1抗体による蛍光抗体染色を行った結果、Oct-1が核周囲に顕著に局在していること、この局在は細胞老化の過程で徐々に失われ、不死化とともに再び出現すること、また、、この核周囲のOct-1蛋白は核ラミナを構成する蛋白の一つであるラミンBと共存していることが明らかとなった。さらに、Oct-1の核周囲の局在が完全に認めらえなくなった細胞は、細胞が大きく伸展したいわゆる老化形質を示し、抗collagenase抗体で強く染色された。これらの結果から、Oct-1が介在する転写抑制性の核内構造が細胞老化の制御装置、すなわち我々の提唱している分子カウンターの実体として重要な役割を果していることが考えられた。一方、老化細胞特異的な転写活性化因子Plutoについては、one-hybrid systemを用いて、現在数種類の候補遺伝子をクローニングしている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] J.Liu et al.: "Calcineurin-dependent unclear translocation of a murine transcription factor NFATx : molecular cloning and functional characterization" Molecular Biology of the Cell. 8. 157-170 (1997)

  • [文献書誌] M.Shibanuma et al.: "Induction of senescence-like phenotypes by forced expression of hic-5,which encodes a novel LIM motif protein,in immortalized human fibroblasts" Molecular and Cellular Biology. 17(3). 1224-1235 (1997)

  • [文献書誌] E.S.Masuda et al.: "NFATx1 regulation by a calcium-dependent gate" Molecular and Cellular Biology. 17(4)(in press). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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