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1997 年度 実績報告書

培養細胞における老化と不死化の遺伝的制御

研究課題

研究課題/領域番号 08838023
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

高野 利也  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60051364)

研究分担者 下田 耕治  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00129470)
キーワード細胞老化 / 不死化 / collagenase / 転写制御 / Oct-1 / nuclear lamina / lamin B / heterochromatin
研究概要

1.老化期特異的な転写因子Plutoの単離と構造解析
老化期の細胞より調整したcDNAライブラリーをスクリーニングし、Plutoの候補遺伝子を3種単離した(クローン36、49、66)。塩基配列を調べたところ、いずれも今までに報告のない新規の遺伝子であった。クローン36と49には、DNAメチル化酵素と白血病の一部で転座が見つかったALL-1/MLL/HRXに共通してみられるCXXCドメインが含まれることが明らかになった。酵母細胞中で行った結合実験では、この部位がDNA結合部位であることが示された。クローン36には、これに加えLADドメインが含まれ、腫瘍抑制遺伝子として報告されたp33ING1とこの部位において高い相同性を示した。p33は細胞老化期に発現が増加し、増殖抑制を行うことが報告されており、クローン36も同様な機能を持つと考えられた。
2.転写抑制因子Oct-1/Orpheusの機能解析
Oct-1の細胞老化、不死化過程における発現変化をウェスタンブロット解析で調べたところ、核抽出液では結合活性の変化と同様に若い細胞と不死化細胞で高い発現が認められたが、全細胞抽出液では有為な発現変化が観察されなかった。そこで、Oct-1の細胞内局在を免疫染色法で調べた。若い細胞ではOct-1は核膜周辺に局在が見られたのに対し、老化が進むと共にこの特徴的な染色が失われ、細胞全体に薄く染まる細胞の割合が増加した。このような細胞ではcollagenaseの発現量が増加していることが二重染色によって確かめられた。さらにOct-1が抑制性に働いている細胞ではOct-1はnuclear laminaの構成成分であるLamin Bと同様な局在を示すことがわかり、Oct-1はheterochromatin等の高次染色体構造を介して抑制性に作用することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Inada,T.,et al.: "Search for a susceptibility locus to tardive dyskinesia." Human Psychopharmacol.12. 35-39 (1997)

  • [文献書誌] Ohno,Y.,et al.: "Increased intracellular Ca^<2+> is not coinherited with an inferred major gene locus for hypertension in the spontaneously hyper." Am.J.Hypertension.10. 282-288 (1997)

  • [文献書誌] Imai,S.,et al.: "Dissociation of Oct-1 from the nuclear pheripheral structure induces the cellular aging-associated collagenase gene expression." Mol.Biol.Cell. 8. 2407-2419 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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