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1997 年度 実績報告書

中国近世の日用類書に関する初歩的準備的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08871004
研究機関関西大学

研究代表者

坂出 祥伸  関西大学, 文学部, 教授 (30067574)

研究分担者 吾妻 重二  関西大学, 文学部, 教授 (20192982)
キーワード日用類書 / 明代万暦・崇禎年間 / 福建省建陽 / 社会史的生活史的研究 / 日用類書医学門 / 救急治療法 / 民間の医者・薬屋 / 歌訣の使用
研究概要

私たちは平成8年、9年度の2年間にわたり我国の公私漢籍収蔵機関に所蔵されている中国近世の日用類書を鋭意調査し収集した結果、宋元時代のもの2種、明代のもの15種を複写し、清代のもの3種は原本もしくは電子コピーで収集した。このうち明代のものは、ほとんどが万暦・崇禎年間に刊行されたものであり、しかも大部分が福連省建陽を出版地としていることが判った。最近、謝水順・李〓著『福建古代刻書』(福建人民出版社、1997年)が刊行され、これによって近世福建の出版界の状況がかなり明らかになったが日用類書を出版した書店名、書店主等もある程度判明してきた。そこで、こうした情報をも附記した『本邦公蔵明代日用類書目録』(自印)を編集し、刊年、刊行地、刊行著、巻冊数、所蔵機関名、架蔵番号等を明記して、後学の者の利用の便を図った。日用類書を明代に限定したのは、その内容が前代に比べて多様化し従って類門が多くなっていて、明代一般士人の生活の豊かさと多様さを反映していると考えられるからである。清氏の日用類書は収集した3種と同系統のものが、公私漢籍収蔵機関に多く所蔵されてはいるが、ほとんど新味がなくステレオタイプ化してしまって、社会史的生活史的研究の有用性があまりに少ないと思われるからである。
なお、この目録とは別に日用類書医学門に限って、代表者・坂出が、その内容上の系統を分類してみたところ、およそ6種類の系統があることが判った。また、その内容を仔細に検討してみたところ、伝統的医薬書にもとづく記載はほとんどなくて、むしろ、明代あるいはそれ以前に、民間の医者や薬屋等の間で使用されていたと思われる救急治療法的な歌訣が記載されていることも判った。この検討については、「明代日用類書医学門について」と題して、1997年6月、台北・中央研究院歴史語言研究所で開催された「医療与中国社会」交際学術シンポジウムで口頭発表し、その日本語版を『関西大学文学論集』第47巻第3号(1998年2月)に掲載した。今後、他の類門についても逐次、その内容の系統性と依拠した資料について検討を行ないたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 坂出,祥伸: "明代「日用類書」醫學門について" 関西大学『文学論集』. 第47巻第3号. 29-44 (1998)

  • [文献書誌] 坂出,祥伸: "本邦公蔵明代日用類書目録初稿" 坂出祥伸, 10 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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