1.研究対象4ヶ国の情報提供者(保育者・教員養成官と現場保育者)に宛て英文研究趣意書を作成。情報提供者を選定し、承諾を得た。研究の進展状況は以下の通り。 (1)カナダ、アメリカは、留学中の日本人研究者(以下、協力者)に研究計画の論評と、情報提供者の選定、計画遂行時の連絡一切について協力を依頼。安全確保等の理由から、市販・私製を問わず子どもの映像資料の入手は困難なこと、日本に存在するような保育者養成向け市販ビデオはないなどの情報を得た。しかし協力者の築いた人脈に加えて、本研究の目的や保育実践のビデオ映像資料交換に対する関心は高く、平成8年10月までに適当な養成校教官を、平成9年1月までに映像取材現場を確保。2月〜3月に撮影と編集完了。 (2)英・独については、申請者自身が9月の定期試験期間中に渡航。ロンドン大学教育学部元児童発達学科長オードリー・カ-チス氏と、ドイツ青少年研究所の上級研究員エルシェンブロイヒ博士に研究計画のレビューと情報提供者の選定を依頼。両氏の論評内容は録音。撮影許可は問題ないが、両国の保育者養成事情、撮影・編集機材の普及度の低さなどから、人材上の難しさを指摘された。イギリスでは予算の許す範囲でプロ・カメラマンの技術を導入。ドイツは、教官との連絡が帰国後に途絶え、大きく立ち遅れたことと、提示された報酬相場額と計画全体の予算額の都合から、研究計画の第2年次分のみの参加を促す。 2.各国の保育・保育者養成事情の文書資料は、米・加・英・独とも必要十分に収集済み。申請者がレビュー受けた際には、口頭情報や関係文書の提供も受けた。 3.日本の保育実践ビデオは最新のデジタル・ビデオ・カメラを購入。3月に申請者が協力園に通い、撮影完了。予想以上に鮮明な映像で、保育の日常を収録できた。編集は次年度早々、申請者自前の機材で行なう予定。ヨーロッパのパル方式への変換およびその逆変換については、マルチ・ビデオ・デッキを購入ずみ。
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