研究概要 |
本研究の目的は,エイズ(後天性免疫不全症候群)という病が,1980年代以降のアメリカ演劇とどのようにかかわったのかを,3年間にわたる研究によって,明らかにすることにある。2年目に当たる平成9年度は,主として基礎資料の収集を継続して行なった。その際,アメリカ現代演劇の代表的研究者であるニューヨーク大学のリチャード・シェクナ-教授と連絡を取り合い,資料収集の方法その他について随時指導をしていただいた。その結果,出版されているエイズ及び1980年代以降のアメリカ演劇関係の書物のほか,インターネット等を利用しての雑誌・新聞記事,さらに,実際に80年代以降活躍している演劇人・演劇集団にまつわる資料(ビデオ・プログラム等)については,かなり満足できる量の資料を収集することができた。また,シェクナ-教授に研究の成果についてレビューを受けることもできた。ほかにも,隣接分野の研究者と意見交換を行う場を持つことができ,当該研究課題の持つ重要性を再認識するとともに,演劇史関係の資料にとどまらず,より広い文化史的な視野から見て重要な資料を収集する必要性を痛感するにいたった。現在,集まった資料の整理を行っているが,次の年度も引き続き,さらなる資料収集を行うほか,今年度収集した,資料に基づき,より具体的な研究を効率的に進行させていく予定である。
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