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1996 年度 実績報告書

中世及び近代初期イギリス文学におけるイタリア文化の受容と影響

研究課題

研究課題/領域番号 08871054
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

松田 隆美  慶應義塾大学, 文学部, 助教授 (50190476)

キーワードイタリア / 中世イギリス文学 / チョーサー
研究概要

13-16世紀におけるイギリス文学、文化へのイタリアの影響は、文学テキストの伝播、書物の流通、人的交流などをつうじて具体的に分析することを目的とし、本年度は主に下記の研究をおこなった。
イギリス人によるイタリア訪問をめぐる文化史的な研究としては、中世におけるローマ巡礼に注目し、英語で刊行された巡礼手引き書や15、16世紀の遺言状などを分析し、聖地訪問に与えられる免償効力の意義を、死後の魂の救済をめぐる民間信仰とのかかわりで考察した。
イタリア文学のイギリスでの受容にかんする研究としては、チョ-サの『カンダベリ物語』の典拠としての14世紀のイタリア文学に注目した。特に「騎士の話」の典拠であるボッカッチオの『テセイダ』へのチョーサーによる改変を分析し、その理由をチョーサーの意識的な既存の文学ジャンルへの挑戦にもとめた。
個別研究と並行して資料収集にも努めた。イタリア起源の作品を含む14-16世紀の英語の写本に関して、重要な写本の詳細な目録を作成し、作品の流通事情を具体的に考えるための基礎資料とした。また図像資料に関しては、写本や印刷本の挿し絵、絵画、版画などの図版類などを中心に、Photo CDとスキャナーを利用してデジタル化をすすめている。
また研究の成果は論文として刊行するとともに、7月の「ヨーロッパ中世における翻訳の理論と実践に関する国際会議」(ドイツ、ゲッチンゲン大学)と12月の「日本中世英語英文学会」(同志社大学)で口頭で発表した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 松田隆美: "チョーサーの「騎士の話」と死後の世界" 芸文研究. 71. 184-196 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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