本年度は、鹿児島での食品フランチャイズにおける契約解除・更新拒絶事件を中心に、当事者ならびに東京で担当弁護士へのインタビュー調査を実施した。これによって、フランチャイズといっても、その生成期と確立において構成者間の契約慣行が大きく変化していること、にもかかわらず契約書そのものは当初よりほとんどわらないままに推移すると共に、実際の契約実践とは大きなギャップが存在すること、さらには実質的利害対に根ざす紛争が発生して初めてその条項が戦略的に動員されること、などが明らかになった。なお、これらの間的知見については、1997年11月29〜30日に京都大学で行われた「現代契約理論シンポジウム」で発表した。
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