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1996 年度 実績報告書

GaNの光学的非線形性に及ぼす励起子の効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08874026
研究機関早稲田大学

研究代表者

宗田 孝之  早稲田大学, 理工学部, 助教授 (90171371)

キーワードIII族窒化物 / 励起子 / 光学的非線形性 / ポンプアンドプローブ法 / 誘導放射 / ゲインスペクトル
研究概要

本年度の研究目的はサファイア上に堆積された高品質GaN薄膜およびInGaN/GaN量子井戸構造の連続波発振レーザウエハにおける励起子の性質及び光学的非線形性に及ぼす効果を調べることであった。研究実績は以下の様である。
1.0.83μm厚GaN単結晶薄膜を用いて、10K〜300Kの間で透過率・反射率の精密測定を行い、吸収係数の大きさを決定するとともに、特に基礎吸収端近傍における励起子構造を明らかにした。この成果は"Fundamental optical absorption in wurtzite GaN"なる論文としてAPLへ投稿準備中である。
2.2μm厚GaN単結晶薄膜の光励起キャリアの冷却率をポンプアンドプローブ法を用いて求めた。この成果は"Nanosecond optical study of wurtzite GaN"なる論文としてPRBへ投稿準備中である。
3.InGaN量子井戸構造における発光の励起光強度依存性の測定を行う一方、励起光密度を一定に保ち、励起光をあてる矩形の長さ(励起長)を変化させて量子井戸構造中の光ガイド層を導波し、試料の端面から出てきた発光の励起長依存性も調べた。試料面内のin組成のバラツキを反映していると考えられる発光スペクトルの測定場所による形状変化が見られた。励起光強度0.5〜2MW/cm^2の閾値で誘導放射が観測された。誘導放射強度の励起長依存性からゲインスペクトルを導出した。今後詳しく調べる必要のある興味深い現象として、励起光密度を増加させるとき、まず自然放射スペクトルの低エネルギー側で誘導放射が起こり、さらに励起光密度を増加させると、高エネルギー側でも誘導放射が起こることを見い出した。この現象が相分離のある三元系での誘導放射機構解明の手がかりになると期待して研究を継続している。これについてはE-MRSへの投稿準備中ならびに論文としてまとめている最中である。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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