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1996 年度 実績報告書

アンチモン分子性酸化物の化学の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 08874084
研究機関関西学院大学

研究代表者

矢ヶ崎 篤  関西学院大学, 理学部, 助教授 (60239720)

キーワードアンチモン / 分子性酸化物 / ポリオキソアニオン
研究概要

[Sb_8O_<12>(OH)_<20>]^<4->と酸、及び塩基との反応を、電位差滴定により追跡した。その結果、この分子性のアンチモン酸化物が一当量の酸、或いは三当量の塩基と反応する事が明らかになった。平衡に達するまでの時間は短く、これらの反応に於いて[Sb_8O_<12>(OH)_<20>]^<4->の骨格が変化しているとは考え難い。恐らく元の骨格を維持したままで、[Sb_8O_<11>(OH)_<21>]^<3->或いは[Sb_8O_<15>(OH)_<17>]^<7->の如きアンチモン分子性酸化物が溶液中で生成しているものと考えられる。実際[Sb_8O_<12>(OH)_<20>]^<4->と酸との反応によって得られた固体の、[Sb_8O_<12>(OH)_<20>]^<4->と良く似た赤外スペクトル与え、基本骨格が保持されていると言う仮説を支持している。現在この固体の精製、結晶化を試みている。
また、[Sb_8O_<12>(OH)_<20>]^<4->の有機リン酸、及び有機ヒ酸に対する反応の検討を行った。^1H NMRを用いて反応の追跡を行ったところ、フェニルフォスフォン酸、メチルフォスフォン酸、ジメチルフォスフィン酸、フェニルアルソン酸が[Sb_8O_<12>(OH)_<20>]^<4->と反応して新化合物を作る事が明らかになった。アンチモンの分子性化合物にも、モリブデン等の分子性酸化物と同様に、異種元素を取り込んで新しい分子性酸化物を作ると言う化学が存在する事になる。また、これらの新化合物の生成が、酸を加える事によって促進される事も発見した。これらの化合物についてもその単離、結晶化を進めている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Abe: "Effects of a Vanadate-Support on the Reactivity of the Bis (Methallyl) Rhodium Complex 〔{(l^3-C_4H_7)_2Rh}_2(V_40_<12>)〕^<2->" Journal of Cluster Science. 7・1. 103-107 (1996)

  • [文献書誌] 矢ヶ崎 篤: "分子性酸化物のデザイン" 表面. 34・8. 474-482 (1996)

  • [文献書誌] N.Ingri: "LAKE-A Program System for Equilibrium Analytical Treatment of Multimethod Data" Acta Chemica Scandinavica. 50・8. 717-734 (1996)

  • [文献書誌] A.Kobayashi: "^1H NMR Study of Aqueous Molybdomethylarsonates" Inorganic chemistry. 36・1. 126-128 (1997)

  • [文献書誌] M.Abe: "Crystallographic and Dynamic NMR Evidence for Organometailie Fragments Pivoting on a Molecular Oxide Surface" Inorganic Chemistry. 35・18. 5114-5115 (1996)

  • [文献書誌] A.Kobayashi: "Equilibria of the H^+-MoO_4^<2->-(CH_s)_2Ag_3O_2^- System in Aqueous 0.6M Na(ce) Medium" Polyhedron. ((印刷中))

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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