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1996 年度 実績報告書

昆虫の生体防御系に関する遺伝子群の分子進化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08874101
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

石和 貞男  お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (20017205)

研究分担者 颯田 葉子  総合研究大学院大学, 教育研究交流センター, 助教授
キーワード分子進化 / 生体防御系 / ショウジョウバエ / 多重遺伝子族 / セクロピン
研究概要

1.今年度の実施結果
無脊椎動物の生体防御系の進化を、ジョウジョウバエの抗菌タンパク質セクロビン多重遺伝子族をモデルとして考察を行っている。現在まで、自然集団から採集されたキイロショウジョウバエ(D.melanogaster)6系統及び近縁種であるD.simulans,D.yakuba各々1系統について、PCR法を用いてセクロビン遺伝子群の塩基配列を決定した。得られた配列から遺伝子の系統樹及び進化速度を決定した。得られた配列から遺伝子の系統樹及び進化速度を推定し、更にキイロショウジョウバエのゲノム上の遺伝子配置を考慮しつつ、ショウジョウバエにおけるセクロピン遺伝子群の多重化に関する進化経路を推定した。それによると、この遺伝子群は約2000万年の間に最低4回の遺伝子重複と2度の染色体再配置を経て形成されたことが示唆された。これら遺伝子がコードする各々のセクロピンタンパクは明確な抗原特異性を持たないため、おそらく菌などの感染から短時間で多くのペプチドをつくり出す適応的な経緯から、遺伝子の量的反復が行われたと推測される。
2.今後の研究展開
(1)今年度で得られた進化過程を検証する為、D.yakubaをはじめとした近縁数種からセクロピン遺伝子群全長のクローニングを行う。
(2)セクロピンの起源を探るため、海産無脊椎動物を中心とし、セクロピンタンパクの単離及び遺伝子のクローニングを試みる。
(3)ショウジョウバエにおいて、セクロピンと共通祖先遺伝子から進化してきたと思われる雄特異的抗菌タンパクのアンドロピン遺伝子をキイロショウジョウバエ近縁数種についてクローニングし、その起源と進化を調べる。昆虫における抗菌タンパク質遺伝子の多様化について考察する。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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