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1996 年度 実績報告書

カロースは細胞壁多糖類の形成に必要か?

研究課題

研究課題/領域番号 08874110
研究機関北海道東海大学

研究代表者

網野 真一  北海道東海大学, 工学部, 助教授 (30191860)

キーワードカロース / 細胞壁 / 多糖類 / 同調培養 / 細胞周期 / 細胞板形成
研究概要

細胞壁多糖類の形成に対するカロースの関与を明らかにする目的で、カロースの存在が細胞化学的に示されている細胞板形成の過程を、タバコBY-2同調培養細胞の細胞周期において調べた。
まず、アニリンブルーによる細胞染色でカロースを特異的に染色できる条件を検討し、同調培養において新たに形成された細胞板にのみアニリンブルーの黄緑色の蛍光が観察される条件を見出した。また、この染色条件により、プロトプラスト化したBY-2細胞を培養したときに、再生した細胞壁多糖類にカロースが多く含まれていることを確認した。次に、細胞壁多糖類を生化学的に分析した。アフィディコリン処理によるG1/Sアレストを解除した同調培養では、細胞壁多糖類全体は細胞周期の各期を通してほぼ一定の割合で糖量が増加しており、分画、GLCなどで調べたその構成も細胞周期にともなう特徴的な変化を見いだすことはできなかった。そこで、細胞板形成の時期に焦点を合わせ、微小管重合阻害剤のプロピザミド処理を併せて行いM期アレストを解除して高度に同調させた。この場合にも細胞壁全体の分画、中性糖組成では目立った変化はなかったが、ラミナリアーゼ処理で細胞壁標品から遊離してくるグルコース量がアレスト解除後1〜2時間後にピークとなるなど、細胞板の形成時にβ-1,3-グルカンが増加していることを示唆する結果を得た。この時、細胞板形成の阻害剤として知られているカフェイン等の阻害剤を加えると、このピークが観察されなくなることから、得られた結果は細胞板の形成を物質的基礎にもとづいてとらえたものであると考えることができる。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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