研究概要 |
平成8年度は.T4バクテリオファージと.B型肝炎ウイルスコア粒子を材料としてプラズマ重合急速凍結レプリカ作製の至適条件の検討を行った。その結果,精製した試料を細分化したマイカフレークと混合し.その少量を2枚の銅板にはさんでシャーベット状液体窒素に投入した。これをレプリカ装置にセットして、10^<-6>Torr以下に排気し、-100℃で片方の銅板をはがすことにより割断した。2分間エッチングしたあと.メタンとステレンの混合ガスを導入して、1.7KV,7mAの条件で.プラズマ重合を行うことにより.試料を被膜した。試料をフッ酸で処理し、水洗したあと,レプリカ膜をグリッドに拾って電子顕微鏡観察を行った。T4ファージのレプリカ像は.大きさも形態も.ネガティブ染色法、氷包理法による像とよく一致した。コア粒子のレプリカ像に関しても同様な結果が得られた。以上のことから今回開発した方法が、微生物試料を生きている状態に最も近い状態で高分解観察するのに適していると言える。平成9年度は、これらのレプリカ膜を原子間力顕微鏡で観察する予定である。
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