研究課題/領域番号 |
08874125
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
百々 幸雄 東北大学, 医学部, 教授 (50000146)
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研究分担者 |
鈴木 敏彦 東北大学, 歯学部, 助手 (70261518)
阿子島 香 東北大学, 文学部, 助教授 (10142902)
近藤 修 東北大学, 医学部, 助手 (40244347)
奈良 貴史 東北大学, 医学部, 助手 (30271894)
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キーワード | 北上山地 / 石灰岩洞窟 / 人類化石 / 弥生人骨 / 絶滅動物化石 / 後期更新世 / 発掘調査 |
研究概要 |
昨年度の予備調査に続いて、アバクチ、風穴洞穴遺跡の第1次調査を平成8年7月21日から31日までの11日間にわたって実施した。 アバクチ洞穴遺跡では、昨年度の試掘溝に隣接して2m^*2mの拡張区を設定して発掘を開始した。7月25日に表土から約30cm下層において、墓壙を発見し、中から左側臥屈葬のきわめて保存状態の良い幼児人骨を発見した。墓壙の掘り込み面、墓壙中の土器片、幼児骨の右手首に装着された貝製平玉から判断して、この人骨が弥生時代中期のものであることが判明した。これまでの乳歯と永久歯の計測値の分析から、この弥生人骨は予想と大きく異なり、渡来系弥生人に近縁であるという結果が得られている。 一方風穴洞穴では、縄文後期の土器片が出土し、遺跡であることが確認された。しかも縄文後期の文化層の下部の粘土質土壌中からは多くの動物化石を検出した。その中の4点の化石骨はこれまでに貝塚等で見つかっている例には見られないものでてあったので、愛知教育大学の古生物学教室の鑑定を受けたとろころ、絶滅大型動物であるオオツノジカあるいはヘラジカの化石骨の一部であることが明らかになった。
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