本研究は、矩形たわみ振動板による疑似定在波モードの放射圧の特性測定を行い、理論の構築を行う。また、その応用として、浮揚、集塵への応用を試みることを目的としている。音波凝集に関しての昨年の成果は、2枚のガラス板を平行な状態から互いに傾けることにより、微粒子の凝集・搬送を効率よく行うことが可能な疑似定在波音場を、容易に形成可能なことを見出しいる。そして、実際に装置を試作し、粒径数μmの微粒子の凝集・搬送に成功している。また、音波浮揚に関しての昨年の成果は、疑似定在波を用いた板状物体の音波浮揚に成功し、物体と放射面が平行状態から僅かでもずれると浮揚力が大幅に減少することを理論的に明らかにした。 本年度は、音波凝集に関しての研究を主に進め、以下の成果を得ている。 1.昨年度試作した装置を改良し、流水中で粒径数μmの微粒子の凝集・搬送を試みた。 2.凝集力、搬送力を理論的に検討し、本手法の最大処理能力について検討を行っている。 3.試作した実験装置により処理された水の濁度を濁度計により測定し、理論との比較を行っている。 4.200W、2MHzの超音波を照射することにより、粒径7.9μmの粒子が懸濁した水を毎秒4ccの速度で処理した場合、50ppmにまで浄化可能なことを確認している。
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