研究概要 |
地球温暖化の問題は、3次元非定常であり、従来の計算手法では、1年以上の莫大な計算時間を要した。 今年度の研究では大幅な計算時間短縮を目的として、齋籐らが提案したTSM(タイムペース法)を2次元モデルに適用して地球温暖化のシミュレーションを行うため、まず大気および地表面で生じる現象(雲の生成,蒸発,凝縮,乱流の生成など)について調査をした。また、それに基づいて適切な現象モデルを構築し、TSMの適用を行い、その有効性を確認した。 本年度の研究の実績を箇条書きにして以下に示す。 1.より精度の高い地球温暖化プログラムを作成するのに際し、大気および地表面で生じる現象(蒸発,凝縮,雲の生成,乱流の取り扱い等)について、他の研究者の成果などを調査し、整理した。 2.1.で調査した現象の取扱について、その妥当性、また、本モデルに適用できる方法であるかについて検討を行い、本モデルに最も適切な現象モデルを作成した。 3.すでに齋籐らが提案したTSM(タイムペース法)の適用にあたり、まず、SOR法の次元増加による計算時間増大を防ぐため、SOR法の繰り返し方法の改良や選点法の導入により繰り返し回数の低減などの工夫を行ってタイムスペース法としての計算効率の改善を図り、有効なプログラムコードを作成した。 4.3.で改良した解法を地球温暖化の問題に適用し、その計算性能を確認した。
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