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1996 年度 実績報告書

強誘電体微細構造の形成と不揮発性微小メモリ効果の実現

研究課題

研究課題/領域番号 08875065
研究機関東京工業大学

研究代表者

徳光 永輔  東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (10197882)

キーワード強誘電体 / 不揮発性メモリ / CeO_2 / PZT / エピタキシャル成長
研究概要

初年度は、当初の研究計画に基づき、基礎的な実験を中心に研究を進めた。強誘電体微小構造メモリを実現するためには、結晶粒径が大きく、結晶性の良好で、かつ平坦な表面を持つ強誘電体薄膜を得ることが重要である。この目的を達成するためには、強誘電体薄膜のエピタキシャル成長技術の確立が必要であり、本研究では分子線エピタキシ-法を採用し、シリコン基板上にCeO_2をバッファ層としてPb(Zr,Ti)O_3(PZT)薄膜をエピタキシャル成長する実験を開始した。基板にはSi(111)を用い、CeO_2バッファ層成長の原料としてはCeO_2ペレットを、PZT強誘電体膜の原料にはZrO_2/TiO_2焼結体とPbOを用いた。最初に、CeO_2バッファ層の成長温度、成長中の酸素分圧を変化させて形成条件を最適化した。Si基板上に酸化物であるCeO_2をエピタキシャル成長させるため、成長初期には酸素を導入せずに薄いCeO_2膜を形成し、その後には酸素を導入して酸素欠損を補うという2段階法を用いた。本手法により、成長温度500℃においてCeO_2(111)の単一配向膜をSi(111)基板上にエピタキシャル成長できることを明らかにした。また、Si(111)基板上に成長したCeO_2膜は、酸素アニール処理を施すことによりその結晶性が向上することを見出した。以上の結果を踏まえてCeO_2(111)/Si(111)上にPZT薄膜を形成したところ、良好な結晶性をもつPZT膜が得られた。この時のX線ロッキングカーブの半値幅はPZTが1.74°、CeO_2が0.96°であった。来年度は、エピタキシャル成長した強誘電体薄膜を用いて、微細構造を作製するためのエッチング技術の検討、および走査型トンネル顕微鏡を用いた分極反転の実験へと研究を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.Ohmi,M.Yoshihara,T.Okamoto,E.Tokumitsu and H.Ishiwara: "Electrical Properties of Ferroelectric Gate HEMT Structures" Jpn.J.Appl.Phys.35,[2B]. 1254-1257 (1996)

  • [文献書誌] K.Aizawa,T.Ichiki,T.Okamoto,E.Tokumitsu,and H.Ishiwara: "Ferroelectric Properties of BaMgF_4 Films Grown on Si(100),(111)and Pt(111)/SiO_2/Si(100)Structures" Jpn.J.Appl.Phys.35,[2B]. 1525-1530 (1996)

  • [文献書誌] Bum-Ki Moon,E.Tokumitsu,and H.Ishiwara: "Formation of High-Dielectric Oxide Films on SrVO_<3-x>Si Substrates" Materials Science and Engineering. B41. 157-160 (1996)

  • [文献書誌] I.Sakai,E.Tokumitsu,and H.Ishiwara: "Preparation and Characterization of PZT Thin Films on CeO_2(111)/Si(111)Structures" Jpn.J.Appl.Phys.35,[9B]. 4987-4990 (1996)

  • [文献書誌] E.Tokumitsu,R.Nakamura,and H.Ishiwara: "Fabrications of Ferroelectric-Gate Field Effect Transistors Using P(L)ZT Films" J.of the Korean Physical Society(Proc.Suppl.). 29. S640-S643 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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