研究課題/領域番号 |
08875073
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小川 恭孝 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70125293)
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研究分担者 |
大鐘 武雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10271636)
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キーワード | 遺伝的アルゴリズム / 進化システム / 移動通信 / チャネル割当 / アダブティブシステム / ATM網 / ルーティング / 複雑系 |
研究概要 |
本研究は人工生命の概念を用いた通信システムの最適化法の確立を目的としたものである。本年度は、主に遺伝的アルゴリズムを用いた、移動通信の固定チャネル割当てとATM網のルーティングについて検討を行った。さらに、移動通信の最適受信法についても研究した。以下にその実施結果を述べる。 1.セルラ-方式を用いた移動通信の固定チャネル割当ては組み合わせ論的問題になるため、一般に膨大な演算が必要とされる。本研究では、まず、遺伝的アルゴリズムを適用することにより、チャネル割当てを実現する方法の定式化を行った。いま、NセルからなるエリアにKチャネルを割当てるものとする。このときNKビットの染色体を考え、n番目のセルにk番目のチャネルを割当てるとき、{(n-1)K+k}番目のビットを1に、割り当てないときには0とする。このような染色体に再生、交叉、突然変異を適用し、干渉を生じない(準)最適な割当てが実現できることを計算機シミュレーションにより示した。 2.ATM網のリンクコストを最小化する最適ルーティングも組み合わせ論的問題となる。このようなルーティングを遺伝的アルゴリズムにより実現する方法の定式化を行った。すなわち、ネットワークの始点から終点までの経路を染色体にコーディングし、遺伝的アルゴリズムの演算を適用することによってリンクコストの低い経路探索法を提案した。シミュレーションにより本アルゴリズムの評価を行うとともに他の手法と比較検討している。 3.多重伝搬波および干渉波が存在する環境下における移動通信の受信を最適化するアダプティブシステムを検討し、その特性を評価した。
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