研究概要 |
波長程度以上離れた複数の受信点を広帯域ディジタルネットワークで結ぶことによって巨大な電波干渉計を構成し、従来著しく困難であった超長波帯自然電磁波の発生源の方向、位置、深さ(高度)を特定するネットワーク干渉計の可能性を追求するために、基礎技術の研究・開発を行った。 1.ATMデータ端末の製作とATM網への接続:パーソナルコンピュータにATMインタフェース(156Mbps,マルチモードファイバ)を装備してATMデータ端末を製作した。当面のソフトウェア開発を容易にするため、2台の端末は同じ室内に設置し、同一のATM交換機に収用して、SVCで接続した。 2.VLF受信局の製作:3kHz〜30kHzの広帯域VLF信号を低雑音で増幅した後A/D変換し、パーソナルコンピュータに取り込めるようにした。 3.干渉ノードの開発:上記2つの機能を統合し、VLF信号データをATMインタフェースから送出するソフトウェアの開発を行なっている。 4.ネットワーク干渉計の較正法の研究:観測帯域内に存在する比較的強力な人工電磁波、例えば、10kHz〜14kHzでオメガ局から送信されている無線航行用電波を利用して、各干渉ノードから送出されるデータの時間軸を較正する可能性を検討している。 5.今後の予定・計画:干渉ノードの開発が終り次第、数十m程度離れた地点間のVLFデータの相関を取り、次に予定通り約10km離れた2つのキャンパス間で実験を行なう。将来的には、大型計算機センターのスーパーコンピュータにATM接続して、リアルタイムでVLFデータの相関を取る計画である。
|