研究概要 |
画像解析技術は,当初,モノクロ,2次元,静止画像の解析から出発した。これは解析に必要なハードの能力の限界によるものであった。その後まず,カラー画像認識に関する研究が進んだ。この中には,モノクロ画像のフォールス・カラー着色による認識の向上に関する研究なども含まれる。次に3次元認識に関する研究が進んでいる。一番遅れているのが動画像認識である。現在でも動画像認識に関する十分な研究成果は蓄積されていない。そこで本年度はまず,認知科学や脳科学における「注意」に関する研究に着目し,文献収集を行うとともに,それらの中からデスクトップコンピューター等を用いて容易に実験できるものを選び,追試を行った。概ねオリジナルな実験と同様な結果が得られたが,必ずしもこれまでの知見では説明できない結果も得られた。まだ断片的な結果なので,それらに対して何らかの解釈を与えるまでには至っていない。 今後は,脳波や脳磁針等によって得られた動的認識に関わる大脳皮質について文献収集を行い、できれば追試する予定である。 一方,粒子マスク法による粒子追跡については,粒子の動的特性を考慮するための色々な工夫をして,順次抽出力の改善への寄与をチェックしている。これに,人間,猿,猫等の動的認識機構を導入したアルゴリズムを開発していく予定である。
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