研究概要 |
今年度は日照環境の測定装置について検討するとともに、AMeDSAの日照データの収集・整理を行なった。 日照環境の測定は魚眼レンズを付けたデジタルカメラで窓近傍の天空画像を撮影し、これに天空上の太陽の軌道を重ね合わせて日照障害を判別する手法を考えている。現場の緯度・経度の計測,および天空画像の撮影は容易であるが、太陽位置を重ね合わせるには画像の水平投影と南北方位合わせが重要になる。このため本研究を進めるに際して、魚眼レンズの水平水準と撮影する画像の南北方位が現場で調整できるような装置を作成することが重要な課題となった。また、対象とする窓には腰窓,掃き出し窓など形態が多種あるので、カメラの設置位置にも自由度を持たせることが必要となった。そこで、精密工作機メーカーと相談しながら、いろいろな条件で設置が可能なカメラ設置台を試作した。現場での試行により改良を加え、日照環境の現場測定の条件を満たす装置はほぼ完成した。これにより現場での画像データは収集可能となったが、画像データから日照障害を判別する処理方法については未だ成果を得ていない。この点については来年度の課題とする。 一方、日照環境を決定する要因は建物周辺の障害物による影響の他に特性も考えられる。そこで、AMeDASの日照データ(約840地点)を15年分収集し、各地点の月日照率を整理した。これらのデータはデータベース化し、現場で測定する日照環境と照らし合わせて、実質的な日照環境の評価を行なう予定である。各地点の日照率のデータベース化は今年度中にほぼ完了した。
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