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1997 年度 実績報告書

環境行動論におけるトランザクショナリズムからみた環境デザインに関する考察

研究課題

研究課題/領域番号 08875109
研究機関大阪大学

研究代表者

舟橋 國男  大阪大学, 工学部, 教授 (50029203)

キーワード環境行動論 / トランザクショナリズム / 環境デザイン / 住宅生産行為 / 戸建注文住宅
研究概要

本研究は、環境行動論における人間-環境関係に関するトランザクショナリズムの視点から、デザイン行為の目的・内容・方法について、その意味・可能性あるいは問題点を、理論的ならびに事例的に考察し、新しい“環境デザイン観"探求の契機を開こうとするものである。具体的には、(1)人間-環境関係に関する環境決定論・相互作用論・トランザクショナリズムなど関連モデルを含む理論的検討を行い、(2)トランザクショナリズムの特質を把握し、(3)それに基づく“環境デザイン"の意味・目的・内容・方法について考察する。
昨年度は、独立住宅の場合を採り上げ、建築主3例・設計者2例ならびに工業化工法住宅供給者3例に対する個別面接調査を行って、住宅に関する意識構造とその形成過程を探ったが、今年度は、戸建て注文住宅の建築主・設計者・施工者ならびに不動産取引に関連する主体を含む全24例の詳細面接調査を行い、戸建て住宅「生産行為」全貌の把握を試みた。
本研究では、生産行為は「環境層」と呼ばれるいくつかの次元とそれぞれの次元における様々な広がりと異なる次元間の繋がりからなる、という概念モデルを考え、得られた情報にKJ法の適用を計ってこのモデル上に再構築した。今回のモデルでは、“日常行為層"“接触行為層"“準接触行為層"“社会的行為層"からなる4つの次元とした。
その結果から、生産行為に関連して、現代社会に満ちあふれている“豊富で"“正しい"情報よりも、いわゆる“ふつうの人々"の介在や接触が決定的な意味を持ち、私的体験故にその事実がむしろリアリティをもって、生産行為の根拠となっていることが明らかになった。
以上は、今回取り上げた戸建て注文住宅の事例に留まらず、多くの計画・設計行為において認められるものと想定され、このような社会的状況における“環境デザイン"のあり方を検討し、その新たな構造を展開させる必要性と可能性が窺われた。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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