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1997 年度 実績報告書

原子間力顕微鏡によるCu表面の腐食初期過程と防食機構の原子レベル解析

研究課題

研究課題/領域番号 08875117
研究機関大阪大学

研究代表者

原 茂太  大阪大学, 工学部, 教授 (90029116)

研究分担者 平井 信充  大阪大学, 工学部, 助手 (50294020)
キーワード原子間力顕微鏡 / Cu / 腐食 / 防腐
研究概要

本研究は原子間力顕微鏡を用いた原子スケールの観察から、水溶液環境下での銅の腐食機構と腐食防止剤であるベンゾトリアゾール(BTA)の役割を明らかにしたものである。本年度は銅(111)面の中性水溶液中での観察を行い、その腐食、防食機構を明らかにした。
過塩素酸ナトリウム水溶液(pH=6〜7)中におかれた単結晶銅のサイクリックボルタモグラム(CV)測定を行ったところ、-1200mV(以下銀/塩化銀参照極に対する電位)で水素の発生によるカソード電流が、100mVで銅の溶解によるアノード電流が観察された。また-200mV付近にカソードピークが、-500mV付近にその逆反応のアノードピークが観察された。AFM観察を行ったところ、ピークより卑な電位である-1100mVではCu(100)-(1×1)構造を示す原子レベルの凹凸像が得られた。その後電位を貴に掃引していくと-100mV付近でステップテラス構造が消失し、周期が6.0Åで3回対称性を持つCu_2O(111)-(1×1)構造が観察された。よって上記のピークは銅上への酵素の吸着によるものあることがわかった。また、電気量測定から酸化物層厚は2〜3層であることもわかった。
次いでこの水溶液に1mMのBTAを加えると、BTAが銅の表面に吸着し、銅の溶解反応、酸素吸着反応を抑制する事がわかった。原子レベルの観察によれば、水素発生近傍の-1200mVでは基板であるCu(111)-(1×1)構造が観察されたが、それより貴な電位では〔112〕方向に4.4Åの周期を持ち、〔110〕方向に6.4Åの周期を持つ√3×5構造が観察され、BTA分子が吸着していることがわかった。更に電位をアノード側に移動させると、これら周期構造は次第に不明確になり、遂にはBTA吸着膜が破壊され、腐食が開始されることが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 高田健太郎, 佐野秀樹, 平井信充, 原茂太: "酸性水溶液中における単結晶Cuの表面構造および酸化抑制剤の吸着構造に関する研究" 1997年日本金属学会秋期大会講演概要. 458- (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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