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1996 年度 実績報告書

有機物界面による無機化合物の析出制御とそのセラミックスプロセッシングへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 08875120
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

高橋 実  名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60093100)

研究分担者 太田 敏孝  名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (30135412)
鵜沼 英郎  名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (30273303)
キーワードセラミックス / バイオミメティック / ラングミュア単分子膜
研究概要

生体内の骨や歯などの硬組織が特異な形状や結晶配向をもつ無機結晶から構成されること、またそれらの無機結晶の形状と結晶配向が有機物分子集合体界面により決定されることに着目し、生体硬組織形成機構の模倣によるセラミックス粉末の形態制御技術の確立を試みた。本研究では、有機分子集合体界面のモデルとしてラングミュア単分子膜を、また無機結晶としてラングミュア単分子膜界面で析出可能な2価金属の炭酸塩および燐酸塩を取り上げた。
2価金属炭酸水素塩水溶液から自発的に炭酸ガスが逸散するにつれて、水溶液内の炭酸塩の過飽和度が上昇し徐々に炭酸塩結晶が析出する。このときに水溶液表面にステアリン酸単分子膜が存在すると、以下に示すような現象が観察された。
1.2価金属炭酸塩の核形成がラングミュア単分子膜界面で優先的に起こる。そのため結晶核形成のための誘導期間が短縮されるとともに、微小な結晶粒子ないし皮膜状の非晶質物質が析出した。
2.出発溶液の過飽和度および温度に依存して、析出物の結晶相が変化する場合があった。例えば炭酸水素カルシウムの過飽和溶液から、過飽和度に応じてバテライト、アラゴナイト、カルサイトの3種の結晶相が析出した。一方、ラングミュア単分子膜が存在しない場合には、カルサイトしか析出しなかった。
3.出発溶液中に燐酸イオンが共存すると燐酸カルシウムが析出したが、ラングミュア単分子膜界面では緻密な厚膜状の多結晶体が得られるとともに顕著な結晶配向が見られた。
以上、単分子膜界面の存在が無機結晶の析出挙動に多様な影響を与えることを見いだした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Unuma,K.Ito,T.Ota,ans M.Takahashi: "Precipitation of Hydroxyapatite under Stearic Acid Monolayers" Journal of American Caramic Society. 79. 2474-2476 (1996)

  • [文献書誌] H.Unuma,K.Ito,T.Ota,and M.Takahashi: "Epitaxial Nucleation of Hydroxyapatite on Compressed Langmuir Monolayers" Bioceramics. 9. 367-370 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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